「あの、消えちゃったんだけど」
SMという性的趣味に、果たして「社会的認知」は必要でしょうか?個人的に言わせて貰うならば、そんなものは必要ないと思うのです。どこか影のある、どこか陰湿なイメージも、少なくともここ日本においてはSMを構成する重要なファクターだと
思うからです。確かにここ数年、ファッション的な流行もあって、SMという言葉自体は一般化してきましたが、それはあくまでひとつの言語としてであって、決して「SMの定義」「SMの理想」みたいなものが認知されたわけではないのです。SMは人の心の暗い部分に潜むインナースペースであり、隠されていることそのものが、その人にとっての欲望を呼び覚ます起爆剤なのでしょう。だいたい、明るい太陽の下で、大声で「僕はSMが好きだ!」なんて言える環境、面白いと思います?
ですが。ですが、です。SMと個人との関わり方はそれでいいにしても、私のように仕事としてSMを扱おうとする場合、いや、人の隠された願望を扱う仕事をしようとするからこそ、社会的に認められたルールに則ったシステムであることが重要になります。誰のコンセンサスも得られないところに信頼関係は育ちませんし、コンセンサスを得ようとすれば、誰もが納得し理解できるシステムと、その安全性が必然的に要求されるわけです。SMに社会的認知はいらないにしても、SMクラブがイリーガルである必要はないですし、SMマニアは変態であっても、
変質者(犯罪者)ではないのです。
いつもの私らしくもなく、なんでこんな堅い話から入ったのかというと、例の風俗営業法の改正による営業届出です。改正の要旨や具体的な内容は別の項目を参照していただくとして、もし私が同じ派遣型風俗でもホテトルや性感ヘルスの営業をしていたのだとしたら、ほぼ確実に届出はしなかったでしょう。誰だって税務署に痛くもない腹を探られるのはイヤです。
私が届出を行ったのは「それがSMであるから」です。お客様も女の子も、本来は隠されているはずのSM的な趣味や興味を明かしてくれます。つまり、ここに来た段階ですでに社会的リスクを犯しているわけです。それはとりもなおさず、この店なら社会的安全を守ってくれると信頼して頂いているわけで、代表者である私には、その信頼に応える義務があると思うのです。
そんなわけで、今回の改正に伴う風俗特殊営業の届出を公安委員会に提出してきました。まさか第1号になってしまったのは予想外でしたが。とりあえずこれで、摘発を受けてプレイ中に警察官が乱入してきたり、お客様の個人情報が押収されるような危険性はありません。皆さん、安心してプレイしにきて下さい。あ、税務署関係の方はご遠慮くださいね。(苦笑)
春が来ましたねぇ。やっと外出が苦にならない気候になってきたせいか、営業状況も前月までに比べれば上々というところでした。特徴的だったのは「出張で東京に来たついでに」とか「今度、転勤で東京に来たので」という初めてのお客様が多かったことです。新年度を迎えて、新しい部署に移って、という時期なんですね。SMクラブの椅子に座って感じる季節感というのにも慣れてきました。まぁ、赤字じゃなかったからそんな余裕カマしてられるんでしょうけど。
この店によくお電話を頂く方はご存知だと思うのですが、最近、よく女の子が電話に出ます。たいていはカノンか美穂なんですが、いつも私がお客様からの問い合わせに応対しているのを後ろで聞いているうちに、すっかり覚えてくれたようで、むしろ私なんかより堂々とした受け答えです。このところ私も外出する機会が増えましたし、原稿書きで手が離せないこともあるので、ずいぶん助かっちゃってます。しめしめ。この調子ならもっとサボれそうだぞ。
さて、お約束の今月の笑い話。
先日、ある女の子が面接にやってきました。21という年齢よりはもっと子供っぽく見えるタイプで、まぁ可愛いかな、という感じの子です。その日に説明を受けて、さっそく翌日からということになり、名前をAちゃんとしました。
次の日、Aちゃんは予定通りに出勤。仕事内容の詳しいレクチャーをし、用具類を手渡して準備万端。夕方いらっしゃる予定のお客様で、初仕事も決定です。定刻通りにお客様が来店。Aちゃんはお客様と一緒にホテルに向かって出発しました。ところが…私の店のルールでは、お客様とホテルにチェックインしたら女の子がそのホテルの名前と部屋番号を事務所に連絡し、プレイの開始時間を確定することになっています。が、その連絡がありません。初めてで緊張して電話するのを忘れてしまっているのかなぁ、と思っていた矢先、電話が鳴りました。それはAちゃんからではなく、お客様からです。
「あの、消えちゃったんだけど」
「へ?」
「いや、だから、消えちゃったんだよ」
「なにが消えたんですか?」
「女の子が」
「はぁ~? どういうことですか?」
「こっちが聞きたいよ」
とりあえず電話では事情がわからないので、すぐにお客様のいるホテルに走っていきました。そのお客様の話によると、先にシャワーを浴びて欲しいと言うのでバスルームに入り、シャワーを使って出てきたら、もうAちゃんの姿がどこにもなかったとのこと。部屋には事務所から持っていったプレイ用具の入ったバッグだけが残されていました。念のため、お客様にサイフの中身なども調べてもらいましたが、幸いそういう被害はなかったようです。
それっきり、Aちゃんからは何の連絡もありません。きっと土壇場に来て怖くなっちゃったんだろうなと思っていますが、お客様と一緒に事務所を出ていくときは、緊張した面もちながらも笑顔が見えましたし、それを考えると、なんだか狐につままれたような気分です。
やっとの思いで、今年初のバス釣りに行ってきました。場所は霞ヶ浦の秘密のポイント。そのポイントの近くには以前からタヌキの巣があって、釣りをしながらふと気がつくと、後ろからタヌキにじっと見られていたりします。今回もいました。ひょっとしたら、顔が似ているので仲間かと思われているのかも。
結局、釣果は1尾だけでしたが、ひさびさのバス釣りは楽しかったです。皆さんの中でSMとバス釣りと両方好きな方、ぜひ今度、一緒に釣りに行きましょう。きっとあなたも、私と同様に狩猟本能が歪んでいます。(笑)