1998年9月

「へ? し、新幹線?」

もともとこのクラブ開設の原資は私の退職金です。その資金に底が見えてきた頃、パソ通ネット時代からの古い友人から嬉しい申し出がありました。私のクラブに出資してくれるというのです。それも、友人としての信頼関係を基盤とした好条件で。もちろんキチンとした契約書は交わしましたが、これで当面、資金的な不安は解消され、営業に専念できることになりました。E氏そしてL氏、本当にありがとう。


このクラブを開設した時から、私は「SMの好きな人が、SMを媒介として集まり、憩い、そして学べるサロン的なクラブを作りたい」という想いを持って運営しています。決して高所からものを言うつもりはありませんが、私自身もこれまで多くのSM関係者の方々から、そうやって育てていただいたような気がするのです。縄師、作家、編集者、カメラマン、クラブ経営者にS嬢、M嬢さんたち。そんな輪の中に加えて貰うことができたからこそ、たくさんの想いと知識・技術に触れることができ、今につながっています。

だから、今度は私が、SMに(あるいは変態性欲に)正直に向かい合おうとする人たちを応援することができれば、と思うのです。単なる風俗営業者にはなりたくない。それでは儲からないのかも知れないけど、自分がなんとか喰っていける分だけあればそれでいいし、細々とでいいからSMという世界に関わっていたい。たぶんこの気持ちはずっと変わらないと思います。


そしてまたまた嬉しい誤算。このホームページからはお客様からの予約や問い合わせの電話が右肩上がりに増えているのですが、なんと女の子からの応募までがホームページを通して立て続けに入ってきたのです。面接を経て入店したのは、とても可愛い顔をした『れい(23歳・元OL)』そして小柄ながらスタイルの良い『カノン(22歳・元OL)』の2人。一応、リクルートのページは作って置いたものの、正直言って期待はしていなかっただけに、驚くやら嬉しいやら。この調子なら、さほど遠くない将来、お客様向けの広告も女の子の募集も、ホームページだけで行けるんじゃないかと真面目に考えています。いろんなアプローチを作って、企画物や読み物も増やして、ついでに掲示板なんかも作ったりして。「ネットワーカー御用達のSMクラブ」うん。悪くないなぁ。

台風の連続上陸に泣かされはしましたが、女の子が揃っただけでこんなに状況が好転するのかと思っていた矢先、また面白い子が入店してきました。雑誌を見たという応募の電話があり、では明日面接においで下さい、ということにして待っていたところ、予定時刻の少し前に電話がありました。

「あのぉ。そちらに向かっているんですが、少し遅れそうなんです」
「はいはい。今、どのへんですか?」
「えっと、今、新幹線の中で…」
「へ? し、新幹線?」

到着してから詳しく聞いてみたところ、プライバシーの関係上、地名は書くことができませんが、確かに新幹線を使っても不思議ではないところに住んでいる子です。SMに興味はあるけど、地元じゃとてもできないから、との応募動機でした。元女子アナの中井美穂に似ていることもあり、彼女の名前は『美穂(23歳・専門校生)』と決まりました。


オープン前の準備期間から、私は1日も休まず事務所に詰めていましたが、多少はクラブの運営状態が安定してきたこともあって、疲れがドッと出てしまい、データ的に一番お客様の少ない日曜日を休みにすることにしました。すみません。これからは毎週日曜は休みです。え? そろそろバスフィッシングのいいシーズンだからだろって? ま、否定はしませんけどね(^_^;)